2018年8月

福田 哲也 先生（スター矯正歯科・歯科）のインビザライン矯正治療に関する講義を拝聴。

ディープバイト(過蓋咬合）およびオープンバイト(開咬)の治療症例をご教示いただきました。

インビザライン矯正を行う際、オープンバイト（開咬）、ディープバイト（過蓋咬合）

症例は頻繁に遭遇いたします。

以下、自分のための備忘録みたいなものです。

噛み込みの深い、ディープバイト改善におけるインビザライン治療のメリット

・特に重度のディープバイト症例において、下顎前歯の圧下を伴なうスピーの彎曲の平坦化を遅延なく開始できるようです。ブラケット＋ワイヤー併用のいわゆる固定式での治療では、ブラケットが当たってしまう場合が多かった。そのため、歯並び矯正治療に悪影響が生じる場合がありました。

予期せぬブラケットの脱離などは、患者さまにも施術者側にもデメリットでしかありません。

・臼歯部挻出を伴う前歯部の圧下と、相対的な前歯部の圧下の両方をより容易に治療計画に取り入れることができ、予測がたてやすい。

・治療オプションとしてマウスピースにプレシジョン・バイトランプを設置し使用することで、臼歯部を離開し、前歯部の圧下を促進できる。従来とは異なり、プレシジョン・バイトランプは歯牙に接着しないため、咀嚼しづらいということがありません。

・インビザラインによるマウスピース矯正治療は咬合高径のコントロールが容易。よって、予期せぬ不必要な噛み合わせの高さである咬合高径の変化を防ぐことが可能。

 

【ディープバイト改善のためのインビザライン技術（G5）】

噛み込みの深いディープバイト症例は、日本人の症例の中で多い傾向にあると言われています。

また「絶対的圧下」「絶対的挻出」など垂直的な移動は、インビザラインでは難しい移動とされている為、なかなかインビザライン治療のみの対象としていなかったのも事実です。ワイヤー併用を患者さまにコンサルティングの際にご提案することが多かった症例の一つ。

そこで今回、ディープバイト治療の予測実現性を高める為に開発された技術を新しく取り入れます。

 

★プレシジョンバイトランプ

上顎４前歯の舌側面（裏側）に、アライナーマウスピースに直接設置されるポッチのような突起です。下顎前歯部の切端が当たることで、臼歯部の過剰咬合を離開し、臼歯部の挻出を補助する目的で使用されます。

臼歯部が離開し、ディープバイト改善の妨げとなる望ましくない臼歯部の咬合力を除去します。

★　歯並び矯正治療による歯牙移動の進行に伴い、プレシジョン・バイトランプを使用することで下顎切歯の圧下への有効性が高まる可能性があります。これはデータにより示されています。歯牙移動の進行に応じて圧下の効果を高めるためにプレシジョン・バイトランプを処方することが可能。この場合、オーバージェット・切歯の傾斜・その他の機能との互換性など、症例その他の要因を考慮する必要があります。

 

マウスピースに対してのプレシジョンバイトランプの設置基準：吉祥寺壱番館歯科医院の場合

 

★　オーバージェットが３㎜以下の場合に設置。３㎜以上ある場合は、設置せず。届きませんので。

★　ディープバイトの症例には積極的に使用しています。

　

プレシジョンバイトランプは、ディープバイト以外の症例にも、様々な症例に適応されることが多いです。

 

プレシジョン・バイトランプは治療効率を改善させ、向上させることが期待できます。

臼歯部の咬合が過蓋咬合の改善を阻害する場合があり、その解決のために採用。

★プレジジョン・バイトランプによって前歯部に接触ができます。

それにより臼歯部が離開させ、臼歯部の噛み合わせを改善します。

 

前歯圧下のアンカレッジ等、大変参考になりました。コンビネーション治療やリカバリー手段の事前説明の必要性等、患者さんに理解していただいてからの治療をしていく必要があります。

さっそく日々のマウスピース矯正診療に導入活用させていただきます。大変素晴らしい講義に感謝いたします。

ありがとうございました。

また、先生の講義内容のお話にございました名言も心に留めて日々の歯科治療に邁進したいと思います。